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Note
燃料電池の商用車 初お目見え
2003年07月09日 The Sankei Shimbun
営業用ナンバー(通称緑ナンバー)を取得した、燃料電池搭載の商用車が9日朝、東京都内で初めてお目見えした。
世界最大の自動車メーカー、米ゼネラル・モーターズ(GM)が開発した燃料電池車を米運輸大手フェデラル・エクスプレスが配送車として使用。江東区の同社有明営業所をスタート、近くのホテルなどへ荷物を運搬。
車名は「ハイドロジェン・スリー」。液体水素を使い、1回の燃料充てん(68リットル)で約400キロを走行。1年間、丸の内など都心で配送作業、燃費などのテストデータを収集する。
燃料電池車は環境問題の観点から、排ガスのない次世代低公害車として注目され、トヨタ自動車とホンダが昨年12月に、世界初の市販車を政府に納入した。
燃料電池の実用化へ新方向 広島大・藤井教授成功
2003/07/08中国新聞地域ニュース
リチウム系、水素3倍貯
広島大自然科学研究支援開発センター長の藤井博信教授は七日、燃料電池普及に必要な水素貯蔵材料にリチウム系物質を使用、従来のランタンニッケル合金の三倍の貯蔵・放出に成功した、と発表した。反応が格段に早いなどの特長もあり、未来の車に載せる燃料電池実用化へ新たな道筋を示している。
藤井教授は、水素貯蔵材料研究の第一人者。COE(中核的研究拠点形成プログラム)担当の市川貴之助手とともに、シンガポール大の研究チームが昨年十一月、科学誌ネイチャーに、リチウム窒素化合物が新水素貯蔵材料として有望と発表したのに着目した。
化学反応の一部に焦点をあてて研究を進め、リチウムアミドなどを鉄玉と一緒に攪拌(かくはん)させる特殊な方法を使って触媒とともにナノスケールで複合化。調べたところ、著しく貯蔵量が増えていた。
この方法では、一五〇度で、質量に対し6%の水素を吸蔵し、一五〇―二〇〇度で放出する。国際目標値である「6%以上の水素を一〇〇度以下で吸蔵放出する材料開発」に一歩近づいた。また水素化などの反応が格段に早く、十気圧以下で制御できるため、乗用車などで使用する際にも安全という。
藤井教授は十三日から米国で開かれる国際会議で発表する予定で、三菱重工などと実用化に向けた共同研究の話が進行中。「触媒やナノレベルでの金属組織最適化などの改良を加えれば、国際目標値をクリアできると思う」と話している。
燃料電池:世界初、灯油型の実証試験開始 出光興産
2003年07月07日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
出光興産は7日、灯油を用いた家庭用燃料電池を開発し、7月下旬から子会社のガソリンスタンドで耐久性などを調べる実証試験を実施すると発表した。灯油から燃料電池に必要な水素を取り出すのは、都市ガスやLPG(液化石油ガス)に比べて技術的に難しいとされており、「灯油を用いる実証試験は世界初」(同社)という。都市ガスで東京ガスや大阪ガス、LPGで新日本石油などが、それぞれ家庭用燃料電池の実証試験を既に行っている。【川口雅浩】
ヤマハ、大手二輪で初の燃料電池開発 メタノール型
2003年07月02日 The Sankei Shimbun
ヤマハ発動機は2日、大手二輪車メーカーとしては世界初の二輪向け燃料電池を開発した、と発表した。
メタノールと水を化学反応させて発電する「メタノール型」と呼ばれる方式。二輪車向けの燃料電池開発では、水素を燃料とする「水素型」の開発を進めている一部ベンチャー企業もあるが、メタノール型は水素型より小型にできるため、二輪車に適しているという。
四輪車業界では、トヨタ自動車などがすでに燃料電池車を販売。今後は環境問題の観点から、二輪車でも燃料電池の開発競争が進みそうだ。
ヤマハが発表したのは、約40センチ四方の燃料電池。この電池を搭載した市販車の開発時期については、未定としている。
現在研究中の小型試作車は、5−6リットルの燃料で約200キロを走行でき、ガソリンスクーター並みの燃費となっている。
燃料電池、家庭用小型化競う
2003/07/01 中国新聞地域ニュース
運転効率安定が課題 2、3年後には市場投入
次世代のクリーンエネルギーとして注目されている燃料電池の開発が、広島、呉を拠点に繰り広げられている。三菱重工業広島研究所(広島市西区)とバブコック日立呉事業所(呉市)。ともに家庭用の出力一キロワットの実用化を目指す。二〇〇五、六年には市場に投入する予定だが、課題は運転効率やコスト削減。本格的な普及は一〇年ごろになりそうだ。
三菱重広島研究所のPEFC(固体高分子型燃料電池)開発センターは六月初め、出力一キロワットの家庭用で世界最小タイプを発表した。容積百八十リットルでエアコンの室外機程度の大きさ。ガス会社などに昨年十二月にサンプル出荷した旧型二台の取り換えを含め計三台を年末までに出荷する。
4千時間突破
水素と酸素を反応させて発電する燃料電池は、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)を全く排出しないのが究極の目標。当面、施設の整う都市ガスなどから水素を得る方式で開発が進む。だが、この方式ではCO2が発生するため、燃料電池の運転効率が火力発電所の発電効率の40―50%を上回らなければ、CO2を削減できない。
三菱重の燃料電池は、安定運転では運転効率87%を記録する。火力発電と比較するとCO2を40%程度減らせる、という。吉田博久PEFC開発センター長は「安定運転時の効率は既に実用化レベル。今後は始動時など出力の変化で効率が落ちるのをどう抑えるかが課題」と強調する。
耐久性をチェックするため、今年初めから燃料電池の連続運転試験も始めた。世界トップレベルの四千時間を突破し、今も運転が続く。〇六年以降の商品化を目指す。
早い起動時間
〇五年の商品化を予定する日立製作所を中心とした日立グループ。バブコック日立呉事業所は、化学プラントで使う大型の水素製造装置を手掛けてきた技術を生かし、都市ガスなどから水素を取り出す改質器の開発を担当。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から開発費の半分の補助を受けている。
改質器はガスを管に入れて温め、水素を取り出す装置。管の外から温める「外熱式」が三菱重をはじめ国内の主流になっているが、日立は管の中のガスの一部を燃焼させて温める「内熱式」を採用した。
呉事業所開発設計課のPEFCプロジェクトの谷田部広志主任技師は「外熱式に比べると、発電効率はわずかに落ちるが、起動時間が早いのが利点」と説明する。八月には日立製の最新型の燃料電池を搬入し、実証試験が始まる。
50万円程度に
業務用では、NTT西日本広島支店(中区)の二カ所のビルで百キロワットの燃料電池が稼働している。〇一年三月に設置。総投資額一億九千万円で、NEDOが三分の一を補助した。両ビルの使用電力の約30%と給湯の一部を賄う。広島支店は「維持費を入れても光熱費が年間約千四百万円安くなった」とする。補助がなくても十三年余りで投資を回収できる計算だが、初期投資の負担は重い。
今、開発の進む家庭用では、各メーカーは耐用年数十年、年間約五万円の光熱費の節約を見込む。最終的には価格を五十万円程度に抑え、一気に普及させたい考えだ。
NEC、04年中に燃料電池内蔵PCを製品化
2003年06月30日 The Sankei Shimbun
NECは30日、世界で初めてとなるメタノール燃料電池内蔵型のノートパソコンを2004年中に発売する方針を明らかにした。パソコンの高性能化に伴い消費電力が増加する中で、次世代電源の本命と期待される燃料電池利用のノートパソコンは、東芝も04年中の製品化を目指しており、各メーカーの実用化競争が一段と激化しそうだ。
NECは現在、充電なしで連続5時間動く試作機を開発。これを2年以内にメタノールの濃度を上げるなどして、連続で約40時間使用できるように性能を向上させる計画。
NECの試作機は、A4サイズの燃料電池内蔵型で、燃料を外付けする東芝のタイプとは異なる。濃度約10%のメタノール約300ccを使用し、連続で5時間動く。カートリッジでメタノールを補充すれば、さらに長く使用することも可能だ。
電極には新しい炭素材料「カーボンナノチューブ」の一種を使うことで、発電効率を上げた。重さはパソコンが2キログラムで、うち燃料電池部分が900グラム。
燃料電池をノートパソコンの電源に利用するには、メタノールの取り扱いを含めた販売方法や規格の標準化など実用化に向けて解決すべき課題も残されている。
三菱重工 世界最小の燃料電池開発
2003年06月02日The Sankei Shimbun
三菱重工業は2日、世界最小の家庭用燃料電池を開発したと発表した。水素と酸素の化学反応を利用する次世代エネルギーの「ミニ発電所」として期待されており、同社は小型化で家庭への普及を目指す。
新燃料電池はエアコンの室外機程度の大きさ。配管などを工夫し従来型の半分程度で、高さ1メートル、幅60センチ、奥行き30センチ。都市ガスなどから水素を取り出す方式だが、将来は灯油など他の燃料も利用できるようにするという。出力は1キロワット。
三菱重工は、年内に企業向けに数台を試験出荷するが、価格は公表しない。製造コストが高く「商品化への課題は多い」(同社)という。2006年春までにもガス会社を通じて一般家庭へ販売できるよう改良を急ぐ。
家庭用燃料電池は、環境に優しく電力を「自給自足」できるため、国がエネルギー政策の柱として実用化計画を推進。耐久性などが課題となる自動車用より普及が早いとの見方もあり、ガス会社や電機メーカーも開発を競っている。
キリンの工場で燃料電池稼働
2003年04月02日 The Sankei Shimbun
排水処理で発生したメタンガスで発電する燃料電池が2日、茨城県取手市のキリンビール取手工場に導入され、発電を始めた。
同社によると、導入されたのは、電解質に炭酸リチウムなどを使う溶融炭酸塩型燃料電池で、従来型より発電効率が高く、窒素酸化物(NOx)など有害物質の排出も少ないという。
燃料電池の設備投資や保守は丸紅が行い、発生したすべての電力と蒸気はキリンビールが購入して同工場が使う。
燃料電池は重さ約40トンで、出力は250キロワット。工場で使う電力の約4%、蒸気の約1%が燃料電池に置き換わり、二酸化炭素排出量は約2%削減できる。また電気料金も安くなるといい、実用性を調べて他工場への導入を検討するという。
低公害車用電池開発で提携 NECと富士重
2002年05月14日 The Sankei Shimbun
NECと富士重工業は14日、電気自動車や燃料電池車など低公害車向けの新型電池開発で提携すると発表した。近く合弁会社を設立し、3年以内に事業化を目指す。将来は国内、海外の自動車メーカーへの販売も視野に入れるという。
エンジンと電気モーターを併用するハイブリッド車用の電池では、トヨタ自動車が松下電器産業と提携し、ホンダも三洋電機と共同開発を検討中。自動車各社は低公害車の開発にしのぎを削っており、今回の提携で技術の主導権争いがさらに激しくなりそうだ。
新会社NECラミリオンエナジー(資本金約5億円、川崎市)にはNECが51%、富士重が49%を出資。ハイブリッド車で現在の主流であるニッケル水素電池より、軽量小型で高性能な「マンガン系リチウムイオン電池」の開発と実用化を進める。
富士重はこの電池を利用したハイブリッド車を2006年度までに市販し、既にハイブリッド車を量産しているトヨタやホンダを追走する考えだ。
電気自動車や燃料電池車ではモーターを回すための電池が必要。小型、安全で低コストな高性能電池の開発が課題となっている。
日石三菱とダイムラーの燃料電池車研究にマツダが参画
9:37p.m. JST April 10, 2000
次世代の低公害車として期待されている燃料電池自動車の開発に向けて、ダイムラークライスラーの日本法人と日石三菱の共同研究に、マツダが加わることが10日決まった。ダイムラーとマツダが乗用車を持ち寄り、日石三菱グループの横浜製油所(横浜市神奈川区)内で、年明けにも走行実験をするほか、公道でのテストも計画している。
ダイムラーと米フォードは、カナダの燃料電池メーカーに資本参加するなど研究開発で提携しており、日本ではマツダがフォード・グループの一員として参加することになった。
燃料電池車は、水の電気分解とは逆に、水素と酸素を反応させて電気を取り出し、モーターを回して動力とする電気自動車。トヨタ自動車と米ゼネラル・モーターズが提携するなど、世界中で開発競争が続いている。
世界初、燃料電池搭載のバスを発売 ダイムラー
8:49p.m. JST April 07, 2000
自動車メーカーのダイムラークライスラーは6日、低公害の燃料電池を利用したバスを、2002年末までに20―30台売り出す、と発表した。燃料電池搭載の自動車は、実験的に走った例はあるが、商業用に発売するのは世界で初めて。米欧の交通機関などに販売する予定だが、1台あたり120万ドル(約1億2000万円)もするとあって、同社も「製造コストの削減が最大の課題」(技術担当役員)といっている。
燃料電池は、水素と酸素を結びつける化学反応で電気を起こす仕組み。動力源はモーターで、従来のエンジンに比べて二酸化炭素、窒素酸化物の排気が極めて少なく、音も静かだ。
このバスに搭載する燃料電池は、250キロワット以上の電力を生む。最高時速80キロで300キロを走り、約70人を運ぶことができる。値段は高いものの、ダイムラークライスラーの子会社「エボバス」が、2年間の維持管理を担当し、燃料の充填施設などの整備支援にもあたる、という。
燃料電池の普及、本格化へ
2000年1月9日 15時44分 共同通信社
効率がよく環境汚染が少ない燃料電池を家庭や自動車向けに本格的に普及させるため、資源エネルギー庁は9日までに、民間企業や学術関係者と、制度見直しや社会インフラ整備の具体的検討に入った。2010年に原発2基分に相当する220万キロワットを、燃料電池で賄うのが目標で、2000年度政府予算案は、燃料電池の研究開発費を本年度の46億円から81億円に倍増させた。
トヨタとGM(米)、燃料電池自動車開発での協力を強める
99年10月20日 19時10分[東京 20日 ロイター]
トヨタ自動車と米ゼネラル・モーターズ(GM)は、両社が、水素を燃料とした燃料電池自動車開発での技術と成果を統合すると発表した。 トヨタの張富士夫社長は、共同声明の中で、両社が、それぞれの水素技術研究システムを統合することで合意した、と述べた。また、両社のコンセプトと技術を結合させる、という。 トヨタとGMは、今年4月、電気自動車、ハイブリッド自動車、燃料電池自動車などの先進技術を搭載した自動車の研究・開発を、共同で行うことで合意した。
日石三菱がダイムラークライスラーと燃料電池の開発へ
7:22p.m. JST October 14, 1999
日石三菱は14日、ダイムラークライスラーの日本法人と、低公害の次世代燃料として期待されている燃料電池の開発や、その原料を供給できるガソリンスタンドの整備について共同研究を進めることで合意した。燃料電池について、日本の石油会社が自動車メーカーとの共同研究に乗り出すのは初めて。ダイムラークライスラーは2004年ごろに燃料電池車を市場に導入する計画で、日石三菱は「国内での燃料電池車の普及に向けて先べんをつけたい」としている。
燃料電池は、水素と酸素を化学反応させて電気をつくる仕組みで、水素を取り出す原料には、石油やメタノール、天然ガスなどが使われる。自動車メーカーが開発競争にしのぎを削っており、海外ではメジャー(国際石油資本)なども協力している。
燃料電池車の部品開発
1999年10月8日 19時01分 共同通信社
トヨタ自動車は8日、水しか排出しない究極の環境対応車「燃料電池自動車」の実用化に向け、出力を約3倍にまで高めて発電する電池装置など主要部品を開発したと発表した。
本田技研工業、燃料電池で走る「エコカー」実験車公開
6:47p.m. JST September 06, 1999
本田技研工業は6日、2タイプの燃料電池車(実験車)を初めて公開した。2003年に市販する予定。燃料電池車の仕組みは、水の電気分解の逆の反応を利用し、水素と酸素を反応させて発生する電気を動力源に使うもので、電池からは水しか発生しない「エコカー」。世界のメーカーが開発を競い合っている。
本田が公開したのは、水素を吸蔵合金に貯蔵して酸素と反応させる「FCX―V1」と、メタノールから水素を取り出すタイプの「FCX―V2」。V1にはカナダの燃料電池メーカー・バラード社製の電池、V2には自社製の電池を搭載した。吉野浩行社長は「燃料電池は業界の中で最大の技術競争が行われているが、普及するのは20―30年先」と説明した。
燃料電池車は、独ベンツ(ダイムラークライスラー)が開発で先行。国内ではトヨタ自動車が96年に「吸蔵合金タイプ」、97年に「メタノールタイプ」の実験車を公開、奥田碩会長も「2003年に市販する」と話している。日産は今年5月、メタノールタイプの走行実験を始めた、と発表した。
トヨタ、セラミックス固体型燃料電池の開発に着手
1999年4月28日 (水) 8時10分 日刊工業新聞
トヨタ自動車は、燃料電池電気自動車(FCEV)の実用化に向けセラミックスを用いた固体型燃料電池の開発に着手した。
水素イオンを利用する燃料電池の主流はリン酸など液体電解質を使うものから固体高分子膜タイプに移行してきたが、トヨタは触媒電極の上にCVD(化学的蒸着)法やPVD(物理的蒸着)法などで導電性セラミックスをつくることで高性能な固体型燃料電池を開発しようというもの。
トヨタは米ゼネラル・モーターズ(GM)とFCEVでの“強者連合”を結んでおり、今回のセラミックス型燃料電池の開発でFCEVで先行する「バラード―ダイムラークライスラー―フォード連合」に対抗する。
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