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太陽電池


 太陽電池は、半導体によってできており、太陽光のエネルギーを直接電気エネルギーへと変換する光起電力効果を利用した発電方式です。太陽電池には以下に示すような特徴があります。


太陽電池の特徴
(長所)
・エネルギー源である太陽光は、無尽蔵で半永久的に使用可能
・太陽電池の発電効率は発電規模に関わらずほぼ一定
・地球上至るところに設置可能で分散型電源に適しており、送電線が不要
・NOx、SOxを排出せず環境に優しい。
・可動部がないため騒音がでず、劣化し難い。

(短所)
・地球上における太陽光のエネルギー密度が低く[夏季晴天時で約1(KW/u)]、また、太陽電池自体の変換効率も低いため出 力密度が低い。
・発電量が天候に左右されるため、一定の出力を得ることが困難
・発電不能時に備え、補助装置として蓄電池が必要
・コストが高い。


 このように太陽電池は優れた点を多く持っていることがわかります。そのため、太陽電池の長所を生かし今後の普及を図る上でも、短所をどのように克服していくかが重要になってくると言えます。



太陽電池の種類

 太陽電池は、発電部に用いる半導体材料の種類によって分類され、大きくシリコン系太陽電池と化合物太陽電池の2つに分けられます。

シリコン太陽電池
 シリコンを原材料とする太陽電池で、製造方法の違いにより単結晶・多結晶・アモルファス太陽電池の3つに分けられます。また、その他にも結晶太陽電池とアモルファス太陽電池を組み合わせたハイブリッド太陽電池などがあります。


単結晶太陽電池
 開発の歴史が古く技術的な成熟度も高いが、製造コストが高いという欠点を持つ。


多結晶太陽電池
 単結晶と比べ製造コストが低い太陽電池です。しかし、変換効率は低下します。


アモルファス太陽電池
 変換効率は他の2つと比べ低いのですが、使用する製造エネルギーが少なく、光吸収係数が大きく薄膜化が可能なため、製造コストが少なくすむ利点があります。また、製造温度が300(℃)と低いため、プラスチックフィルム基板上に太陽電池を形成でき、フレキシブルな太陽電池を作ることも可能です。


化合物太陽電池
 化合物半導体は複数の元素が科学的に結合してできた半導体で、III-V族元素の組み合わせとII-VI族元素の組み合わせた等があります。


III-V族化合物半導体太陽電池
 代表的なものとしてGaAs太陽電池が挙げられます。高い変換効率を持ち、また、シリコン結晶太陽電池と比較して、温度上昇による変換効率の低下が小さい、光吸収率が大きいため膜厚を薄くできる、などの長所を持っています。しかし、シリコン太陽電池より価格が高く、比重が重いなどの欠点を持ちます。主に宇宙開発の分野で利用されています。


II-VI族化合物半導体太陽電池
 CdS、CdSe、CdTe、ZnTe等がありいずれも光吸収係数が大きく、膜厚を薄くできるため材料費が下げられるという利点があります。太陽電池を構成するにはp型、n型の半導体が必要となりますが、この半導体は表6-1に示すようにほとんどのものがどちらか一方の性質しか持たないため、単独で用いるのではなく、同族もしくはIII-V族の半導体と組み合せて太陽電池を構成します。



 
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